親元を離れる学生のために
現在、日本の人口の中で高齢者の占める割り合いが増加し続けています。総務省の統計によれば、日本における高齢者人口は2017年10月時点で27.7%と全体の3割弱を占めています。これからますます高齢者に伴う問題が増えることが、この調査から予想されます。一方で、こうした問題を背景にNPO法人が世代間ホームシェアサービスを開始しました。
世代間ホームシェアでは、1人暮らしする学生が高齢者と自宅を借り、共に生活するサービスのことをいいます。高齢者問題の1つに孤独・孤立してしまう問題があります。また、学生においては悩みがちな金銭的問題の双方を解決出るようなサービス制度となっております。
高齢者と学生は、お互いが他人同士であるため、同居に抵抗を感じる人も多いでしょう。そこで第3者としてNPO職員が介入し、両者が共に生活していけると判断できた場合のみ、世代間ホームシェア制度を利用できます。高齢者の孤独感を軽減できる画期的なサービスといえるのではないでしょうか。
世代間ホームシェアの特徴として、利用料金が安いことが挙げられます。そのため、学生が家賃に悩むことが少なくなり集中して勉学に
励むことが可能。また同居開始後、月に1回の頻度でNPO職員が訪問し、お互いにトラブルがないか、同居した際の悩みごとはないかを定期的にチェックするため、トラブルが起きないようサポートしてくれます。
世代間ホームシェアの利用条件
世代間ホームシェアを利用する際、学生、高齢者のそれぞれに利用条件が設定されています。学生の場合、親元を離れて大都市の大学で勉強すること、高齢者との同居を希望していること、それからフルタイム仕事をしていない場合に利用できます。また、これらの条件の他同居ルールも存在しますのでそれらを守れる学生のみに世代間ホームシェアが利用できます。
高齢者の場合、首都圏で1人暮らしをしており健康面の問題もなく、且つ自立した生活していること。それから学生専用の部屋(スペース)を用意できる、一定以上の干渉をしないことが利用条件に定められています。
新潟ビジネスコンテストでも考案されているほど
この世代間ホームシェア制度は、新潟大学五十嵐キャンパス学生を対象に、地方を活気づけるためのビジネスアイデアをコンセプトにビジネスコンテストが開催された時にも考案されています。考案した2人の経済学部の学生が提案し、グランプリを受賞しました。
高齢者に陥りがちな社会的孤立の問題を減少させ、学生の金銭的な悩みを解消できる点から、審査員から高評価されました。現在、世代間ホームシェアでは制度を普及していく予定のため、いずれ地方でも、学生と高齢者と一緒に住める環境が整うでしょう。